４号目刊行！栗原はるみよりメッセージ

またひとつ、歳を重ねて思うこと。 今日という日を夢中で生きたい。

 3月、私は 76歳になりました。昨年、75歳になったころから、自分でも驚くほど、見えるものが変わってきたと感じています。不思議なもので、還暦といわれる60歳でもまだまだ、70歳でもわからなかったことが、ここ数年で、何かが開いたかのように理解できるようになったのです。こうなると、一日も無駄にはできません。リタイアするなんてとんでもない。このまま駆け抜けたい！という思いですごしているのです。この雑誌をはじめて毎日が充実する中で、新しい趣味を見つけることもできました。ギターに出合ったことから、私の人生はさらに大きく変わりはじめています。 今回は、和食・洋食・中華、すべて「基本」をテーマにしてレシピをご紹介しました。実はこんなふうに一冊の中でジ ャンルを分けて料理の特集をするのは、はじめてのこと。とても新鮮な気持ちになりました。料理を絞りこみ、何度も試作をして、レシピを確認する。テーマに合わせた器を集中して選ぶことで迷いが払拭され、撮影が終わったあとは、なんだか気分がすっきりしました。夢中でものごとに取り組むと、頭の中がきれいに整理されるような気がします。皆さんも、もしやりたいことがあったら、迷わずにはじめてみてください。あまり深く考えこまず、思いきってスター トしてみること。そうすれば新しい出会いにも恵まれ、気持 ちも変化してくると思います。「明日こそ」ではなく、今を楽しく。今日という日は、今日しかないのです。この春からも笑顔で、口角を上げて、楽しくいきましょう。