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5号目刊行!栗原はるみよりメッセージ

 寂しくても、必ず朝はやってくる。早起きすれば、いいことがある。


70代になったばかりのころは、「もう仕事を一段落させよう。行きたかった場所へ、たくさん旅行をしよう。夫婦水いらずで、最後はのんびりとすごしたい」と考えていました。ところが今、私はこれまでの人生でいちばん忙しい日々を送っています。朝、目覚めてから夜、ベッドに入るまで、仕事もプライベートもやりたいことがたくさんあって、のんびりする時間はほとんどありません。実はこうして動くことで、寂しさをまぎらわせているのです。
一日の中で、特に大切にしているのが朝の時間です。窓を開けて新鮮な空気を入れるところから、仕事がはじまるまでの数時間、こんなに慌ただしく動き回っていることに皆さんびっくりされるかもしれません。朝は私にとって準備の時間、心と体を整える時間、そして学びの時間でもあります。悲しみに負けてしまう夜もありますが、必ず朝はやってきます。窓から自分で手入れをした庭の緑を眺めるたびに、「今を楽しんで生きよう」という気持ちになれるのです。
いいことも悪いことも、すぎてしまえばすべて過去のこと。思い出もたくさんありますが、私はいつでも前を向いていたい。「若いころのあなたはきれいだった」と言われるよりも、「今のあなたがいちばん」と言われるほうがうれしい。そう思いませんか?
明日も早起きをして、いいことをひとつでも見つけましょう。好きな洋服を着て、やりたいと思ったことは迷いなく。自分の人生を楽しくできるのは、自分でしかないのです。