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わたしのうつわ、食器棚。「普段使いの白い棚」

普段使いの白い棚

写真=木寺紀雄 文=仁田恭介

白いシンプルなオープンシェルフはイケアのもの。棚の間隔が広いので取り出しやすく、みんなが自由に出し入れしています。使わない器にはアクセントにクロスをかぶせておきます。

白だけで統一すれば冒険がしやすい

わが家は、撮影や取材などで毎日のように来客があり、スタッフ全員で昼食をとるので、みんなが自由に取り皿を取り出せるオープンシェルフをキッチンスペースに置いています。そこに並んでいるのは基本的に白磁。白は基本中の基本で、使っていて気持ちいい色だからというのもありますが、それ以上に白だと〝冒険できる〟のがいいところ。輪花のもの、葉っぱのデザイン、変わった形のオーバル皿、自分がかわいいと思ったものを棚に並べても、白だとごちゃごちゃした印象にならず統一感が生まれて、それぞれの形の個性が際立つんです。あと、和食器は5枚1組、洋食器は6枚1組というルールが昔からありますが、1枚や2枚など、半端な数しか手に入らないときもあるじゃないですか。それで も白だったら大丈夫。この白い棚を見てください。セットでそろっているのはわずかです。どうやったら食器を楽しめるか、どう置いたらみんな楽しんで使ってくれるか、と常日頃から考えることが大事だと思っています。その手始めとして、白い器だけの棚はおすすめです。どんどん冒険していきましょう !

普段使いの器 1 

 

サイズ違いで重ねられるようにオリジナルで作った、みずきの葉っぱをモチーフにした小皿。食卓に一枚あるとかわいいです。深さがあるので、汁けのある料理の取り皿にも。

普段使いの器 2  毎日のように使う、友達からのプレゼント

 

大事なものであればあるほど、あまり使わずに食器棚の奥のほうに箱に入れた状態で保管している、とよく聞きますが、私は毎日の食卓でちゃんと使うようにしています。器は料理を盛ってこそ生きるので、たとえ一点ものであっても、割れやすいものだとしても使わないと。例えば、このグラスは仲良しの友達が私の誕生日、3月5日にくれたものです。数字の3と5のグラスをセットでプレゼントする、っていう発想がとても素敵ですよね。私の宝物です。うれしかった気持ちと一緒に、 毎日のように使っています。

普段使いの器 3 緊張感のあるシャープなオーバル皿

 

丸皿ばかりのテーブルにオーバルの皿が一枚入るだけで、リズムが生まれるところが好きで、何か面白い形のものはないかとスタッフと一緒にネットでいつも探しています。たくさん持っている中でも、最近のお気に入りがこれ。主にフランスのアンティーク家具や雑貨を取り扱っている「メゾングランデール」という店のオンラインストアで見つけたもの で、このシュッとしたシャープな形は初めて見ました。やわらかさの中にちょっと緊張感がありますよね。グリーンサラダやフルーツを盛るとかっこよくなります。

普段使いの器 4 和洋中、何にでも使える輪花の皿

 

輪花の皿は、素敵なものに出合ったら購入し、 オリジナルでも数えきれないほど作ってきました。パッと華やかになりますし、使っていて気分が上がります。ケーキやフルーツといった華やかな食べものに合わせる方が多いようですが、私の場合は何でも盛ります。例えば、焼き鳥や、魚の照り焼き。漬物だっていいんです。もちろん和食だけでなく、中華や洋食など、むしろ印象にギャップのある料理を盛るのが楽しい。他にはソーサーも、カップを置く以外で何かに使えないか。そんなことをいつも考えています。

普段使いの器 5  二枚しか買えなかった魚のプレート

魚のプレートはハワイで見つけたものです。 二枚買って、やっぱりかわいいからもっと買 おうと思って次の日に店を訪れたら売り切れていました。買い物はタイミングが大事ですね。こういう個性の強いデザインのお皿でも、 白を選び、白い器と一緒に置くと違和感なく 溶け込みます。ちなみに、魚だから魚料理だけを盛ろうとは思いません。輪花の皿と同じで自由に楽しむことが大事。あるときはバナナクレープを、またあるときはしょうが焼きを盛りました。思いつきをどんどん試して、意外な組み合わせを見つけてみてください。