わたしの白。vol.2
2022/03/04衣・食・住を私らしく、気持ちよく。
日々の暮らしに寄りそってくれる白いものたち。
写真=伊藤徹也 取材・文=仁田恭介
頼りになる可憐なテーブル

これがない生活は考えられません
今から30年近く前のこと。夫と青山を散歩していた天気のいい昼下がりに、路地裏の雑貨店の軒先で売られていたのがこの長方形のテーブルです。目に入った瞬間、かわいい! とひと目惚れしてすぐ購入しました。それからわが家の生活のあらゆる場面で活躍してくれていて、頼りがいがあります。
魅力は何といってもこの波打つフリルのようなデザイン。いつ見ても可憐だなと思います。装飾が凝りすぎているものはあっても、このやりすぎていない曲線はなかなかありません。そして、しっかりしたステンレスなのに脚が華奢で、女性でも軽々と持てるのもいい。普段の食事のテーブルとしてだけでなく、ビュッフェでお皿を並べる台として、庭で植物を飾るラックや本棚として、いろいろと使えるサイズも魅力です。
傷がついたり、塗装が剝がれたりするたびに何度も塗り直しています。どこどこのメーカーとか、そういうものではありませんが、これは本当に好きだと使うたびに実感します。
思い出深いシンプルなパール

いつものTシャツにさりげなくパールを
私にとっていちばん身近なアクセサリーがパールです。人生で最初に手にしたのは、成人式の時に母からもらった一連のネックレスとイヤリング、指輪のセット。何十年経った今でもときどき箱から取り出し、やわらかい布で優しくふいて手入れをしています。同じように長くパールとつき合う楽しさを知ってほしくて、娘が20歳になった時にもプレゼントしました。
自分へのご褒美として買うことが多く、イギリスで出版された『Harumi’s Japanese Cooking 』がグルマン世界料理本大賞を受賞した時に手に入れたものは特に思い出深いですね。流行り廃りに左右されず、シンプルでクラシック。フォーマルな装いの時だけでなく、カジュアルな着こなしにも迷わず合わせられるのがパールのいいところ。
最近よくつけているイヤリングは、シルバーの留め具をできるかぎり細くして、ブレスレットは花形の真鍮のパーツにこだわって作ってもらいました。Tシャツやニットにさりげなく合わせています。