「寂しくても、楽しく。」学びの時間
2024/04/03第七回 おいしいキムチの作り方を習う
写真=阿部 健 文=山野井 春絵
野菜たっぷりの韓国料理は、私の大好物。なかでもキムチは必ず冷蔵庫にあります。友達が遊びに来たら、豚ばら肉を焼いてサムギョプサルでおもてなしをすることも多いですが、そんなときにも欠かせません。いろいろなお店のものを食べ比べてきましたが、ここ最近、いちばんのお気に入りが韓国大使館のすぐ目の前にある麻布第一物産のキムチ。ほんのり甘みがあってこくがある、こんなおいしいキムチが、わが家でも作れたら! そう思ってお願いしてみたところ、快く引き受けてくださいました。教えてくれるのは、金月林さん。お母さまの代から麻布十番でキムチ屋さんを続けています。
「今日お教えするのは、店で出しているキムチとは違って、家庭でも簡単にできる浅漬けタイプです。韓国ではこの即席キムチをコッチョリといって、冬に作ったストックがなくなったときなどによく作るんですよ」。甘みの増した冬の白菜がいちばんですが、春の白菜で作るなら、少し塩を控えめにするといい、とのこと。白菜は葉と芯の部分に分け、塩分量を変えるのがポイントだそう。芯を斜めにそぎ切りにするのも、勉強になりました。ミキサーでヤンニョムを作り、しんなりした白菜と合わせ、手袋をした手で「しみ込め、しみ込め」としっかりとかき混ぜます。私は甘い味つけが好きなので、砂糖と水あめを少し足しました。「これは即席ですけど、できたてはやっぱり香辛料とにんにくの香りがとがっています。1日はねかせたほうが、味がなじみます」と金さん。まずはこのキムチを基本にして、調味料を好みに合わせて増減するとよいとのこと。これから何度も作って、私好みの即席キムチを完成させたいと思います。
1. 毎日キムチを食べている金さんのお肌はつやつや。
2. お店に来ると、ついいろいろ買いすぎてしまいます。
3. カクテキ、オイキムチ、水キムチなど、さまざまな種類が。
4. パック入りのキムチは、友達への手みやげにすることもあります。
5. 完成したキムチは唐辛子の鮮やかな赤色がきれい。即席とはいえ、味に深みがあって大満足。
6. 毎日料理をすることが仕事の私たち。はじめての共同作業も息ぴったりです。
金月林さんの即席キムチ
●材料
白菜(外葉を除く)…約2kg
塩…30g
細ねぎ…1束
ヤンニョム
唐辛子粉(細びき)…大さじ1(15g)
唐辛子粉(中びき)…50~60g
しょうが…10g
にんにく…30g
りんご(中)…½個
ご飯(自然に冷ましたもの)…80g
なしジュース…100ml
アミ(アミエビ)の塩辛…50g
いわしエキス…60g
梅エキス…大さじ1
すり白ごま…大さじ1
水あめ…大さじ1
砂糖…大さじ2
●作り方
1 白菜は根元と外葉を取り、内側の黄色い葉を5cm幅くらいに切る。芯の白い部分はそぎ切りにする。
2 葉と芯に分けておく。
3 大きなボウルに芯の部分を入れ、塩20gを加える。1時間くらいおいてしんなりしてきたら、葉を入れて混ぜ、残りの塩10gを加えて、さらに1時間おく。芯の部分が指で挟んでしなるくらいになるのが目安。
4 3の白菜を水洗いする。ざるに上げてそのまま1時間くらいおき、水けを自然にきる。
5 ねぎは3~4cm長さに切る。
6 ヤンニョムを作る。しょうがは皮をむき、にんにくは粗みじん切りにする。りんごは皮ごと粗くきざむ。しょうが、にんにく、りんご、ご飯、なしジュース、アミの塩辛、いわしエキス、梅エキスをミキサーに入れ、全体がなめらかなペースト状になるまでしっかり攪拌する。
7 ボウルに6のペーストを移し、細びきの唐辛子粉を加えてへらなどでよく混ぜる。さらに中びきの唐辛子粉を加えてよく混ぜたら、ヤンニョムの完成。
8 4の白菜の水けを軽く絞ってから大きなボウルに入れる。中央をくぼませて7のヤンニョムを半分くらい加え、手袋をした手でよく混ぜる。残りのヤンニョムを加え、さらに混ぜる。
9 ねぎ、ごまを加えて混ぜたら水あめ、砂糖を加え、最後にしっかり混ぜ合わせて完成。すぐに食べられるが、1~2日おくと味がなじんでおいしくなる。
麻布第一物産
創業から40年以上、韓国の伝統的な製法で手作りしている各種キムチやお惣菜、韓国食材がそろう。サイトからも購入可。
東京都港区元麻布1-5-11
☎03-3444-7646
営業時間 10:00〜20:00
定休日 第2・3水曜日
※祝日の場合変更あり