プレビューモード

思い出の器

第一回 荒木義隆さんの

写真= 山口恵史 文=仁田恭介

器にまっているのは人生大切風景

なんて美しい色なんだろう ! 40年以上前、とある器屋さんでひと目惚れしたトルコブルーのおちょこをきっかけに、専業主婦だった私は器の世界にのめり込んでいきました。作家は京都の宇治を拠点にしていた荒木義隆さん。

それからお小遣いで一点ずつ買い足すのが楽しみになり、料理家になって間もない頃に雑誌の取材で初めてお会いしてから 、『ごちそうさまが、ききたくて。』 に登場する盛り皿をはじめ、これまでたくさんの器を依頼してきました。

数ある中でも特に思い出深いのがこの3つです。緑釉の片口は娘の、焼き締めは息子の結婚式の引き出物にお願いしたもの。手前の大皿は私と玲児さんのために作ってもらったものです。この3つに詰まっている思い出は語り尽くせません。片口は、お酒や焼酎を入れたり、料理を盛ったり、花入れにしたり、使うことが多いのでなおのこと。家族、友人、あの瞬間の笑顔の風景がふっとよみがえって、見るだけで幸せな気持ちになります。