自分のために、ひとりごはん「ご飯のおとも」
2023/07/26
欠かせないのが、ご飯のおとも
写真=須藤敬一 文=山野井春絵

ひとりになってはじめてわかることがたくさんあるな、と最近つくづく思うようになりました。実際、ひとりは本当に寂しいものです。誰かと食卓を囲む時間が、どれほど幸せなことかと思い知らされます。でも、誰もいないからと食事をおろそかにしてしまえば、もっともっと寂しくなる。私は、夫がいるときに続けていたことを、手抜きをしないで続けようと心がけるようになりました。そうすることが、自分自身を元気にしてくれると気づいたからです。今、私にできることは、ひとりごはんを楽しむこと。料理中は「これはひとりごはんによさそうだな」などといつも考えています。そんな毎日を続けていけば、きっと笑顔でいられると信じています。
欠かせないのが、ご飯のおとも
しょうがの効いたひじきと、山椒が香るじゃこ。2種類のふりかけを作っておくことで、いつでも飽きずに食事ができます。白いご飯はもちろん、お茶漬けにしてもおいしいです。
たくさん作ったら仲良しへのお土産に
どんなに忙しくても、気がついたときに「ご飯のおとも」をまとめて作っておくことが、ずいぶん前から習慣になっていました。ひじきのしょうが煮と、じゃことかぶの葉のふりかけは、季節の漬物と同じくらい、いつもわが家の食卓にある定番。自分好みのご飯のおともがあることで、ひとりでも安心していられる気がするのです。作り置きの惣菜は、家族のためという印象があるかもしれませんが、食べる量を調節しやすいので、ひとりごはんにこそぴったりだと思います。手間をかけた料理が用意できないときでも、白いご飯とこれらのおかず、汁物があればそれだけで充分。ちょっとしたお酒のおつまみにもなりますし、混ぜご飯や酢飯、チャーハン、卵焼きに入れるなど、幅広く使えて便利です。私はひじきのしょうが煮を酢飯に混ぜて、パリッとしたのりで巻いて食べるのが大好きです。味よく、長持ちさせるコツは、しっかりと水分をとばすこと。ひじきは汁けがなくなるまで様子を見ながら煮る。かぶの葉はあらかじめ干しておくことで、水分を減らすことができます。日持ちは、ひじき煮は1週間、ふりかけは3〜4日くらい。遊びにきてくれる仲良しへのお土産にすることもよくあります。
ひじきのしょうが煮
芽ひじきと細かく刻んだしょうがだけの何げない煮物。ピリッとしたしょうがの風味がアクセントになっています。ゆでた絹さやを添えると、さらにおいしくなります。

産地によって長さや太さ、食感が異なる乾燥ひじき。私は芽ひじきを使っていますが、皆さんも好みのもので作ってみてください。
●材料(作りやすい分量)
芽ひじき(乾燥)…50g
しょうが…30g
A
しょうゆ…大さじ3
みりん…大さじ3
砂糖…大さじ2
絹さや…適量
●作り方
1 ひじきはよく洗い、たっぷりの水に7~10分つけてもどす。ざるに上げて水けをよくきる。
2 しょうがは細かいみじん切りにする。
3 小鍋にAを合わせて煮立て、砂糖が溶けたらひじきを入れて中火で3~5分、ほとんど汁けがなくなるまで煮る。
4 火を止め、しょうがを加えて混ぜる。
5 絹さやは筋を取り、塩少々(分量外)を加えた熱湯でゆでて冷水に取り、水けをよくきって斜めせん切りにする。
6 器に4を盛り、絹さやを添える。
ひじきのしょうが煮のご飯のせ

ひじき煮を絹さやのせん切り、少し甘めの卵と一緒にご飯にのせて。ひとりだからこそていねいに、大好きな漬物はもちろん、青みや薬味をたっぷりと添えます。スクランブルエッグは、卵2個を溶きほぐし、砂糖大さじ 1½、塩少々を加えてよく混ぜた卵液を、サラダ油を熱したフライパンに流し入れ、大きく混ぜながら半熟状に火を通せば、完成です。
じゃことかぶの葉のふりかけ
実山椒がピリリと効いた、後を引くふりかけ。塩昆布、削り節、ごまも入っているので、うまみもたっぷり。かぶの葉が、ごちそうに変わります。

かぶの葉は干して水分を抜くと、パリッとした食感に。水分が多い場合は、少し長めに干しましょう。みぶ菜や大根の葉でもおいしい。
●材料(作りやすい分量)
かぶ(葉)…1束分(200g)
ちりめんじゃこ…100g
実山椒のつくだ煮(市販)…大さじ2
塩昆布…20g
しょうゆ…大さじ3
酒…大さじ1
みりん…大さじ1
削り節(ミニパック)…10g
炒り白ごま…大さじ2
●作り方
1 かぶの葉は洗って水けをよくきり、ざるなどに広げて半日ほど干してから、1 cm長さに切る。
2 フライパンにじゃこを入れてから炒りし、かぶの葉を加えて炒め、しょうゆ、酒、みりんを加えて混ぜる。実山椒、塩昆布を加えて混ぜ合わせたら火を止め、削り節、ごまを加えて混ぜる。
じゃこのチャーハン

ふりかけをご飯と炒めて香ばしく仕上げたチャーハンはまた違うおいしさです。フライパ ンにサラダ油適量を熱し、ご飯 150gを入れたらほぐしながら炒め、ふりかけを適量加え、さらにパラパラになるまで炒めて。器に盛り、ちぎった韓国のりをたっぷりのせましょう。