自分のために、ひとりごはん「チキンスープ」
2023/08/02まるごと食べる、チキンスープ
写真=須藤敬一 文=山野井春絵
ひとりの自分を支えてくれるのがスープ
この雑誌でもいろいろなチキンスープを紹介してきました。私は毎週欠かさず、1リットルくらい作って、冷蔵・冷凍保存していますが、ストックが途中でなくなってしまったときには、こうして手羽肉で急ごしらえすることもあります。一人前くらいなら、丸ごとの鶏がらでとったものにも負けないくらいおいしいスープができるので、ひとりごはんの定番レシピとして、覚えておくと便利です。
具は季節によって、なんでも好きな野菜を選んでみましょう。私は大根やかぶ、里芋をよく入れています。スープだけをしみじみと味わいたい気分なら、豆腐や春雨を少しだけ入れてもいいと思います。
食欲がない日でも、このチキンスープさえあれば、ちゃんとお腹が満たされます。シンプルですが、奥行きのある味が体と心の両方を温めてくれるのです。今、私はこのチキンスープに支えられていると言ってもいいくらい、助けられています。チキンスープを作ること、そしてそれを味わうことが、私にとっての癒やしなのかもしれません。
手羽肉はだしを引き出したら、味が抜けてしまう前に取り出して、別の料理に使います。一度作ったら二度三度おいしい、お得なレシピなのです。
手羽肉のサムゲタン
作るのに手間がかかりそうなサムゲタンですが、丸鶏でなく手羽肉でも充分おいしい。昆布といりこを使ったチキンスープに、香味野菜、なつめ、そして米を入れれば、簡単にでき上がります。
メインになる温かいスープに、キムチ、ご飯があれば、ひとりごはんは充分。鶏肉のだしがしみ込んだ、ほくほくの大根がごちそう。
●材料(作りやすい分量)
手羽肉…8本
A
水…カップ10
昆布…10 長さ1枚
いりこ…10尾
にんにく…2片
しょうが…1片
長ねぎ(青い部分)…1本分
なつめ…1~2個
米…大さじ2 ※洗わない
大根…300g
塩…適量
白菜キムチ、すだち…適宜
●作り方
1 手羽肉は、手羽中と手羽先に切り分ける。沸騰した湯に入れて、再度沸騰したらざるに上げ、ゆでこぼす。
2 鍋に分量の水と昆布、いりこを入れて火にかけ、煮立ったら1の手羽肉と残りのAを加え、ふたをして弱火で30~40分煮る。
3 大根は皮をむいて3 厚さのいちょう切りにする。
4 2の鍋に大根を加え、さらに15~20分煮て、大根がやわらかくなったら塩で味を調える。器に盛り、好みでキムチ、すだちを添える。
塩味は薄めにしておいて、コチュジャンやキムチを入れて味の変化を楽しんで。 ラーメンを入れるのもおすすめです。
だしをとった手羽中でもう1品
チキンスープから引き上げた手羽中は、好みの大きさにさいて、おつまみやサラダなど、さまざまなレシピに展開することができます。いろいろ考えて料理に活用してみてください。
手羽中はなるべく皮を破らないよう注意しながらていねいに2本の骨を引き抜き、身の部分と分けます。見た目の美しさも大切に。
●材料(作りやすい分量)
手羽中(サムゲタンでゆでたもの)…適量
●作り方
手羽中は骨を取り除き、縦半分に切って、器に盛る。わたしの醬をかけていただく。
わたしの醬
●材料(作りやすい分量)
にんにく(みじん切り)…大さじ1
しょうが(みじん切り)…大さじ1
長ねぎ(みじん切り)…大さじ3~4
ごま油…大さじ1
A
しょうゆ、酢…各大さじ4
砂糖、韓国粉唐辛子(粗びき)…各大さじ2
●作り方
小さなフライパンにごま油を熱し、にんにく、しょうが、長ねぎを入れて炒める。水分をとばしながらしんなりするまで炒めて、Aの調味料を加えて混ぜ、火を止めて粗熱を取る。そのままでもよいが、一晩おくとさらになじんでおいしくなる。
紫キャベツとトレビス、チキンのサラダ
紫色の野菜を組み合わせて作る、ほろ苦くて爽やかなサラダ。粒マスタードを加えれば、 おしゃれな前菜になります。ワインと一緒に。
●材料(作りやすい分量)
紫キャベツ、トレビス…合わせて150g
手羽中(サムゲタンでゆでたもの)…適量
マヨネーズ…大さじ2
塩・こしょう…各少々
粒マスタード…適宜
●作り方
1 紫キャベツはせん切りにして氷水を張ったボウルに入れる。トレビスは手でひと口大にちぎって同じボウルに入れる。パリッとしたら水けをよくきり、きれいなボウルに入れる。
2 手羽中は骨を取り除き、手で粗くさく。
3 1にマヨネーズ、塩、こしょうを加えてさっくりと混ぜ、手羽中を加えて軽く混ぜ、器に盛る。好みで粒マスタードを加えてもよい。
野菜は切り方を変えて食感にアクセントをつけます。マヨネーズは入れすぎないこと。ツナやモッツァレラチーズで作ってもおいしい。