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自分のために、ひとりごはん「トマトすき焼き」

好きなものこそ、ぜいたくに

 写真=須藤敬一 文=山野井春絵


自分が大好きなものを組み合わせて楽しむ

ひとりだからこそ、たまにはぜいたくをしてみるのもいいでしょう? 高価な食材も、一人分なら、さほど大きな出費にはなりません。何かうれしいことがあった日や、「今日はおいしいものを食べて元気を出したい」というときは、思い切って自分だけのごちそうを作るために、買い物へ出かけましょう。
私は牛肉とトマトが大好き。好きなもの同士を組み合わせたトマトすき焼きをよく作ります。具は脂がのった上質な牛肉と、トマトだけ。余計なものは入れずに、潔く。トマトはミディサイズのものを、切らずに丸ごと火を通します。トマトが温まったら牛肉を加え、まずはフレッシュな状態から食べていきます。煮詰まってトマトソースのようになったのもまたおいしい。
こういうレシピのアイデアは、ふとしたところから生まれることが多いです。例えば友達と好きな食べ物について、たわいのない会話をしているとき。仕事のあとにスタッフとホッと一息ついてお酒を飲んでいるとき。ヒントは人とのやり取りの中にもあるのです。皆さんも、親しい人たちとの会話の中から、ヒントを探してみてください。自分の好物を自由に食べられるひとりごはんなら、その時間がきっと楽しみになるはずです。

トマトすき焼き

牛肉とトマト、それぞれのおいしさを味わえるすき焼き。トマトの酸味と割り下の甘辛い味のバランスが絶妙。溶き卵をつけながら、熱いうちにいただきます。

ひとりですき焼きをするなら、14cmのスキレットを一つ持っておくと便利。このすき焼きは、鍋が小さいほうがおいしくできます。ひとりなら牛肉は1〜2枚でも満足。霜降り肉もトマトの酸味と合わせればさっぱり食べられます。トマトが大きすぎると水分が出て割り下が薄まってしまうので、小ぶりなものを。
材料(作りやすい分量)
牛薄切り肉(すき焼き用)…100200g
ミディトマト…56
割り下
カップ1
しょうゆ大さじ
砂糖大さじ1

溶き卵…1個分

作り方
1 割り下を作る。小鍋に酒を入れて火にかけ、煮立ったら中火で68分、半量になるまで煮詰める。火を止め、しょうゆ、砂糖を加えて混ぜる。
2 トマトは洗ってへたを取り、水けをふく。
3 牛肉は大きいものは食べやすく切る。
4 鍋に割り下を適量入れて火にかけ、煮立ったらトマトを入れる。トマトが少しやわらかくなり、軽く煮くずれてきたら牛肉を広げて入れ、好みの加減に火を通し、溶き卵につけながらいただく。途中、味が薄まったら割り下を足す。

 

 

残った煮汁に、1膳分のご飯を入れ、軽く煮てから溶き卵を回しかければ、トマ トの酸味が効いたおじやに。ご飯のかわりに餅やうどんを入れてもいいでしょう。