「寂しくても、楽しく。」ストーリーのある大切なもの
2022/11/09ストーリーのある大切なもの
第二回 濃紺のジャケット
写真=山口 恵史 文=仁田恭介
流行に左右されない 仕立てが美しいジャケット
白いTシャツ、もしくは白いブラウスにブルージーンズ。そして紺のジャケットが似合ったら、もう完璧!そういうシンプルなコーディネートをかっこよく着こなせる75歳でいたいといつも思っています。このジョルジオ アルマーニのジャケットはもともとスーツで購入したんですが、パンツが私にはワイドすぎて、ジャケットだけ着ています。コンパクトな肩幅が私にぴったり。20年ほど前に買ったものなのに、生地と仕立てが美しいから、古臭さを感じさせませんよね。特に気に入っているのが、濃紺の色み。黒だとどうしてもラフに着づらいのですが、 この黒に限りなく近い濃紺は、カジュアルにも、あらたまった日にも着られる理想の色です。羽織った瞬間に自分の体型にしっくりときて、これさえあれば自分らしくいられる、自信を持てる、というジャケットが一着あると本当に心強いですよね。
そうそう、このジャケットを購入したとき、接客をしてくださった女性がとても律儀な方で、イベントや展示が あると、いまだにお手紙やご案内の連絡をくれるんですよ。20年も変わらずってすごいですよね。この服を買うときに彼女が言っていた、「トレンドに左右されることなく、ずっと長く着られます」という言葉を思い出しました。5年後、10年後、ずっと着ていたいなと思う私の大事な定番です。