「寂しくても、楽しく。」学びの時間
2022/09/07第二回 ギターを弾けるようになる
写真=前 康輔 文=仁田恭介

毎日コツコツ、が大事
前号で刺繡を学び、次は何を学びたいのかと考えたとき、ぱっと思い浮かんだのがアコースティックギターでした。75歳でスタートするにはハードルが高いかも ? と思ったんですが、 どうしても演奏したい曲があり、友人のミュージシャン、高桑圭さんに、誰かに教わりたいと相談したら 、「 僕が教えますよ!」と引き受けてくれたんです。彼との出会いは昨年末のこと。 佐野元春 & ザ・コヨーテバンドのライブにご招待いただいたお礼に、わが家でのごはん会に来てもらったとき、料理するのが好きだと知って意気投合しました。彼が普段演奏するのはベースで、ギターを教えるというのは初めて。 私も教わるのが初めて。 3月からスタートし、今回が6回目で、ギターを教えてもらう日は、約1時間のレッスンが終わった後、私が高桑さんに料理を教えて一緒にごはんを食べる、というのがお決まりになっています。 演奏したい曲は佐野元春さんの「約束の橋」と最初に伝えると、「課題曲として難易度はやや高いけれど、いちばん好きな曲を選んだ方がいいので」 とのこと。
あれこれといろんな曲に手を出さず、まずはこの一曲を完璧に弾けるようになるというのが年内の目標です。この曲に出てくる「今までの君はまちがいじゃない」という歌詞が本当に好きで、ひとりで落ち込んでいるとき、たくさん励まされました。ギターを始めてから、とにかく毎日の練習が楽しくてたまりません。練習していると自然と笑顔になってしまうほど、元気が出ます。高桑さんの教え方が本当に上手なので、コードも読めるようになり、演奏にも少し余裕が出てきたような気も。同時にミュージシ ャンの方々のすごさを改めて感じていますし、尊敬します。最後までミスなく弾けるようになったら、リズムや弾き方のアレンジを変えて、いろんなパターンで弾けるようになりたいんです。 日々コツコツ、が大事ですね。焦ってもうまくなりません。毎日続けて、いつか皆さんの前で演奏できたらな、というのが密かな夢です。
1 | いつもリビングのテーブルで譜面を見ながらレッスンしています。2 | 練習していたら指にまめができてしまいました。 3 | 譜面には覚えられなかったコードや、高桑さんからのポイントがメモされています。4 | ピックではなく指弾きです。高桑さんが途中でかっこいいフレーズを弾くので、見惚れてしまいます。5 | 左は高桑さんのギターで、テーブルの上にあるのが私のギター。ちょっと小ぶりなんです。6 | 天気が良かったので庭で練習しました。
TEACHER 高桑 圭 Kiyoshi Takakuwa
2005年からカーリージラフ名義で活動中。ベ ーシストとしてのキャリアは30年。ザ・コヨ ーテバンドのメンバーとして、15年以上佐野元春さんとライブツアーを行う。「はるみさんの練習にかける真剣さには頭が下がります」