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「寂しくても、楽しく。」思い出の器

第六回 草花絵柄の中華皿

写真=山口恵史  文=山野井春絵 

独特の絵付けに惹かれた中国のアンティーク

これらの花柄の器は、30年以上前、上海へ行ったときに、街のアンティークショップで見つけたものです。器の専門店ではなく、家具や布など、さまざまな骨董が置いてありました。セットではなく、似た雰囲気のもので大きさをそろえ、小さなれんげも一緒に、まとめて購入。古い器には、100年以上前に作られたということがわかるシールが貼ってあったので、それを目印にして状態のいいものを選びました。当時から100年前ということは、清朝時代のものでしょうか。詳しいことはわからないのですが、ご存知の方がいらっしゃったら、教えていただきたいなと思います。
料理家として仕事をはじめたころから、私はスタイリングも自分自身で行っていました。自分の料理は、どうしても自分で選んだ器に盛りたいという強い思いがあったからです。中華の料理に合う器をずっと探していたところに、これらの器に出合い、「これだ!」と思いました。ロンドンやニューヨークでも玲児さんとアンティークショップへよく行きましたが、海外で買ったお気に入りには、より思いが深くなる気がします。
花柄の中華皿というと、ちょっとけばけばしかったり、かわいすぎるものもありますが、ひとつひとつ手で絵付けされたこれらの花柄はどれも品があって、やさしい雰囲気が気に入っています。中華料理にはもちろん、ほかの料理やお菓子にも合わせやすく、とても便利です。