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「寂しくても、楽しく。」人生を変えたレシピ

人生を変えたレシピ 
第5回 ブルーベリーマフィン

写真=須藤敬一 文=内田いつ子


ブルーベリーマフィンとの出合いは、今から50年以上前。若かった私は兄に誘われて、兄の知人のカメラマン、小出さんの下田の別荘に行きました。そのとき焼いてくれたのが、このマフィンです。
当時の下田はカメラマンや作家、ミュージシャンなどが集まる別荘地。みんな仲良くなると、週末に集まって、料理を作ったり音楽を聴いたりして楽しんでいました。玲児さんは小出さんの大学時代の先輩。彼も偶然、下田で小出さんに出会って、別荘に招かれるようになり、そこに集まる仲間として私と玲児さんは知り合いました。
小出さんはアメリカの文化や料理に詳しく、玲児さんも料理上手。母が作る和食しか知らなかった私にとって、彼らが作るビーフシチューやTボーンステーキといった料理は、はじめて食べるものばかり。ブルーベリーマフィンも衝撃的なおいしさでした。なにもかもが新鮮で驚きの連続だったのです。
下田で彼らとすごした5年間を経て、私と玲児さんは結婚しました。小出さんは私たちを出会わせてくれた人でもあり、この5年間があったからこそ、私は料理の楽しさを知ったのです。残念なことに昨年亡くなってしまい、彼が50年以上愛用していたマフィン型(右ページ)を譲り受けました。ブルーベリーマフィンは、私がお菓子作りに目覚めるきっかけになった大切なレシピ。最初は見よう見まねで作っていましたが、少しずつ改良しながら、今も作り続けています。


材料 (89個分)
...2
グラニュー糖 ... 120 g
薄力粉...160g
ベーキングパウダー ... 小さじ 1 1⁄2
生クリーム ... 大さじ 1
バター(無塩)... 50 g
ブルーベリー缶 ... 1⁄2 缶(固形量約 100 g )

準備
・型に紙のマフィン型をはめる。
・オーブンは 1 80°Cに予熱する。
・ブルーベリーは缶から出してざるに上げ、汁けをよくきる。

作り方
1 バターは 2 〜3 等分に切って小さい耐熱容器に入れ、ふわっとラップをかけ、電子レンジで 20 〜30 秒加熱して溶かす。
2 ボウルに卵を割り入れ、グラニュー糖を加えてハンドミキサーでもったりするまで泡立てる。
3 薄力粉とベーキングパウダーを合わせて 2 にふるい入れ、ゴ ムべらでさっくりと混ぜる。
4 粉っぽさが少し残っているところに 1 のバターと生クリームを加え、手早く混ぜる。
5 ブルーベリーを加え、つぶさないように軽く全体を混ぜる。
6 生地を型に流し入れ、天パンにのせ、180°Cのオーブンで約20分焼く。
7 焼き上がったら型から出し、粗熱を取る。