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「寂しくても、楽しく。」ストーリーのある大切なもの

ストーリーのある大切なもの
第五回 シャネルの腕時計

写真=山口 恵史 文=山野井春絵

カメリアの花にダイヤをあしらったシャネルらしいジュエリーウォッチ。写真では大きく、ちょっと派手に見えるかもしれませんが、実際は、私の手首にちょうど収まるくらいの小ぶりなサイズの腕時計です。20年以上前、雑誌の企画でフランスを旅したとき、パリの店舗で購入しました。振り返ってみれば、私が持っている腕時計は海外で買ったものばかり。日本で売っていないものがほとんどです。普段はあまりしない買い物も、旅先だと「このところ忙しく働いているから、これくらいのごほうびもいいんじゃない?」という気持ちになるようです。ピンときたら、迷いなく買います。このシャネルの腕時計も衝動買いでしたが、今でもやっぱりお気に入りのひとつです。
仕事柄、普段は腕時計をつけることはほとんどなく、この時計もアクセサリーとして身につけています。ジーンズとTシャツのようなカジュアルな格好に、小さなジュエリーウォッチ。こんなさりげないおしゃれが、私らしいのかなと思っています。
玲児さんは、腕時計がとても好きで、結婚した年をはじめ、何度もペアウォッチをプレゼントしてくれました。玲児さんが選ぶのは、シンプルで機能性が高いものが中心。玲児さんがいなくなってしまった今は、兄夫婦や息子夫婦に譲ったものもありますが、特に思い入れの強いものは、大切にしまってあります。