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「寂しくても、楽しく。」ストーリーのある大切なもの

ストーリーのある大切なもの
第六回 フレッシュの香水

写真=山口 恵史 文=山野井春絵

 

30年前にロンドンで見つけたお気に入りの香り

フレッシュは、アメリカのスキンケアブランド。1991年創業とのことですが、私はたまたま同じ頃に、友達と立ち寄ったロンドンの香水屋さんで、このヘスペリデス グレープフルーツという香りと出合いました。ヘスペリデスとは、ギリシャ神話の“宵の明星の娘たち”という意味だそうです。香水を選ぶのはなかなか難しいものですが、これは一度香りをかいだだけで、すっかりお気に入りに。それ以来、この香り一筋です。
香りは、その名のとおり、フレッシュな柑橘そのもの。いかにも香水、という感じはあまりなく、とても自然なので、
料理の仕事でも邪魔になりません。小学生の孫たちも、「いい匂い! 大好き」と言ってくれます。毎日朝からリフレッシュするために使っていますが、はじめての方にお会いするときや、大きな仕事、登壇して話をするなど、緊張する場面でも、この香水は役に立っています。シュッと一吹きすると、気持ちが引き締まって、なんだか自信が湧いてくるのです。私にとってはお守りのような存在で、なくてはならないもの。なにか一つでも、そういうものがあると、心のよりどころになってくれると思います。自分の人生を支えるベスト10を考えるとしたら、間違いなくこの香水は、上位に入ります。
残念ながら日本にはショップがないので、いつもストックを切らさないように、海外通販でまとめて購入しています。